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「淫乱元妻」(9)-特別講義ー

よおー、またまた出てきたぞ! またまたラブドール関係で補講的な話しをしてしまうぞ!(「ぞ!」口調)

さてだ。いきなりだが、愛知万博なのだ。そいでもって、その愛知万博で何が展示されるかをちろっと見てみると、ロボット関連がかなり多いのだ。愛知万博って、ほとんどロボット万博っぽい。で、ロボットと言うと、その進化形には必ず人間に似た装置が出てくるはずだし、さらにその開発の延長線上には、セックス関連のロボットがいるはずなのだ。これは確実なのだ。セックス用のアンドロイド、セクソロイドが必ず現れるはずなのだ。男の視点に限定すれば、自由にエッチができて生身の女性にできるだけ近い、気持ちいい美形のドール・ロボットが登場するはずなのだ。(「なのだ」口調)

そんなわけで、どんなものが考えられるか、ちょっと想像してみたいわけだ。つまり、「現時点での技術レベルと、予想される今後何年か後の技術レベルから、どのようなラブドールが開発されるか(開発して欲しいか)」を予想してみようというわけだ(「わけだ」口調)

だがだ! エロ翻訳代理講師の俺にはちょっと荷が重いので、替わりにエロ・ロボット工学の専門家代理を呼んできたぞ。今日は特別講義ってことでよろしくな。

じゃ、専門家代理のアッシモ先生? どうぞよろちく~チクビ!

***

はい。アッシュ代理講師、ご紹介ありがとうございました。私がアッシモです。よろちく、チクビ!

では早速、話しに入ることにしましょう。いくつかの話題に区切って話しをしていきます。

<重量>
まず、現時点のドールでの問題点の一つとして、重量の問題があった。だが、これは骨格をなす部分の金属の軽量化とかシリコン素材の改良によってある程度、軽量化が可能と思われる。

しかし、本当に軽量化が必要なのか、そもそもその前提が疑わしいと思われる。本当に生身の女性と同じロボットを求めるなら、現時点での40キロ台の重量は軽すぎである。生身の女性で、体重30~40キロなんてのはむしろ軽すぎて病的である。さらに軽量化を進めて、逆に壊れやすくなってしまっては元も子もない。拒食症の病弱な女性を抱いてもつまらないのと同じだ。多少、重量があってもセクシーで健康な女性を抱きたいのが大半の男だろう。したがって、無理して軽量化を進めることはないと思われる。第一、セックスのとき上に乗られた場合、ある程度、重量がないとつまらないではないか(私は個人的に、割と重い女性にのしかかられるのは嫌いではない)。

ところで、生身の女性がある程度の体重があっても、さほど重いと感じられないのは、こちらから動かさなくても柔軟に動いてくれるからと思われる。私は刺身が好きでマグロも好物なのだが、マグロ化した女性はいただけない。マグロ女性のどこがまずいかというと、向こうから動いてくれないため、体重の重さが如実に感じられることになり、苛立ちや疲労感を感じるからである。ドールの場合も、動かない場合はマグロ女と同様なのである。これは不満だ。この点を考慮し、ドールにモーターを内蔵し、ある程度、自動的に動くようにすればどうだろうか(その詳細は後述)。そうすれば重量はさほど気にならなくなると思われる。

大方の場合、ドールの重量で問題になるのは、例えば寝室から浴室への移動とか、収納場所からベッドへの移動といった場合なのかもしれない。これには当面は専用キャリア・車椅子を設計し、それを使うことにしよう。

<基本動作>
セックスプレー目的のドールの場合、何も「立って歩く」とか「逆立ちする」なんてことはしてもらわなくともよい。我々大半は、普通のセックスを楽しみたいだけだ。私も、長い人生の間、相手の女性に「逆立ちして見せてくれ」と頼んだことは一度もない(頼みたくなった衝動を感じたことはあるが)。

ドールと普通のセックスをする。その場合、ドール側に求められることは、まずは、いくつかの典型的な体位をとることができて、その体位で使用者が動くときに、それなりに柔軟に対応して動いてくれたり、自分自身の体を支えたりしてくれれば良いと思われる。その運動制御はやはりコンピュータ制御になるだろう。そのコンピュータは内蔵ではなく外部に置くべきだ。また動力を要するわけであるが、重量を食うバッテリーは用いず、これも外部から電源を補給すべきだ。

したがって、コンピュータとの接続コードに加えて電源がドールから伸びる形式をとる。(接続部は、やはり外見のイメージを崩さないよう頭髪に隠れるあたりが妥当だろう)。

上で基本的な体位をとると述べたが、基本の体位は、やはり正常位と後背位と騎乗位だろう。駅弁ファックなどその他のアクロバティックな体位は当面無視する。正常位・後背位・騎乗位を基本体位として、いくらかその変異形にも対応できるようにする。基本体位は使用者にもっとも快適となるよう前もって微調節が可能にすべきだ。体位選択はリモコンスイッチ式により行われ、ドールの姿勢変更はスムーズに行われるようになっている。もっとも、正常位から騎乗位への変更といった大幅な姿勢変更は、一時停止して行わなければ無理であろう。

ドール側での運動については、正常位の場合、あまり大きな問題は考えられない。性器の結合部を軸として、腹部がうねるような動作を行えるようにプログラミングすればよいと思われる。後背位(バック体位)の場合は、ドールが両腕・両膝で体を支えるときのバランス制御が困難かもしれない。打ち込みのリズムに合わせて運動することができるよう、当然、センサーが仕込まれている。突きに対して柔らかく受け止め、さらには、受け止めつつも臀部を押し返すような動きも行う。これも実現可能だろう。騎乗位の場合は下肢で体を支えつつ、太ももの部分を使って上下動する必要があり、かなり困難かもしれない。縦方向の運動であるので、ドールには重力を感知し、それを元にバランスを制御する装置が内蔵されている必要がある。両手を使用者の胸に当てて上体を支えるようにすればバランス制御は比較的楽になるかもしれない。いずれのアクションの場合も、動作のリズミカルな繰り返しを基本としつつも、意図的に毎ストロークごとに微妙なバリエーションが生じるようにすべきである。また、動きの滑らかさも欠かせない。

そのような滑らかな動きをするためには、従来型のモーターを動力源としてでは困難だと思われる。アシモのようなドールでは役に立たない。その点、次のリンクのニュースは明るい希望を抱かせる。

人工筋肉を用いたソフトロボットの研究開発 - 全身が柔らかい新しいロボットにつながる大きな一歩 -

この人工筋肉は、何より、無音であるのが幸いだ。行為中にドールからギーギーとモーター音が出てこられては興ざめだからだ。このような人工筋肉を骨格部にあわせて配置し、その外をシリコンで覆えば無音で柔軟に動く女体が作成可能になるかもしれない。それが成功する鍵は、やはり性交運動の精緻な観察に基づく運動制御に関する理論構築と、柔らかい人工筋肉の開発であると思われる。

<関節・骨格>
自然な動きを行い、柔軟な姿勢を取ることも可能にするためには、堅牢な骨格と関節が必要である。骨格に関しては、特に背骨が充分に曲がることができるようになっている必要がある。背を丸めたり、逆に反らしたりができるような構造である。水道の蛇腹パイプのような仕組みを用いるか。関節部は、基本的に話題の球体関節を用いる。もちろん、可動範囲は人体の関節と同程度まで実現したい。首が360度回転できる、などといった余計な機能までは実現してくれなくともよい。

<「押したら、それに応じて少し動いてくれる」という動作>
いかに可動であるとはいえ、使用者の希望通りに動いてくれないと、使用中にストレスを感じることになるのは必然だ。通例のヒト対ヒトのセックスにおいては、特に愛情を共有しているヒト同士であるなら、互いに思いやって、相手が希望する姿勢・動きをとることになるだろう。だが、ドールにはそのような使用者の気持ちを察する能力はない。したがって、使用者の意思をドール側に伝え、望む姿勢を取らせる必要がある。もう少しだけ脚を開いてくれ、腕を上げてくれ、首をちょっとだけ曲げてくれ、といった使用者の希望が伝わり、ドールがそれに応じてちょっと姿勢を変化してくれるだけで、重量によるストレスは大きく減少するものと予想される。

そのような機能を実現するために、ドールには外部から力を加えられた場合、その加えられた力のベクトルとは逆方向に(すなわち、押された方向へ)少しだけ動くようにする。脚を開いて欲しい場合は、両太ももの内側を外方向へ軽く押すのである。するとドールは少しだけ脚を開く動作を行う。「少しだけ」と言ったのは、合図を送ったとたんいきなり極端に股を広げられても困るからである。開きが少なかったら、もう一度、同じ指令を送れば、また少し開いてくれるだろう。ドールのそのような慎ましい動作は、かえって使用者をそそることにつながるかもしれない。

このような機能実現には、やはりドールの主要な部位に圧力を感知するセンサーを内蔵する必要があるだろう。そのセンサーが感知した信号を外部コンピュータが計算し、該当する部位の動きとして反応するのである。このような動作は、少なくとも原理的には現時点のロボット工学ではすでに実現していると思われる。考えられる問題点は、使用者が本当に動いてもらいたいと思って押した場合と、そのつもりはなくただ単に欲情に我を忘れて押してしまった場合の区別がドールにはできないことがあるかもしれない。添い寝状態で、ちょっと乳房を触るたびにドールが過剰反応して、使用者の手から逃れる動きをされても、それはそれで困ってしまうからだ。このような事態を避けるため、例えば、当該箇所を「トントン」と軽く2回叩いた後、押しの動作をすると、それに対応した動きに入るが、その合図を行わずに押した場合は反応しないといった仕組みが考えられるかもしれない。「トントン」と叩いても何も反応せず、ぐうぐういびきをかいて寝ている生身の女性に腹を立てることが多い使用者には、時を構わず反応してくれるドールにさらに愛情を深めることだろう。

<体温>
現状ドールの問題点のもう1つは、冬場の冷たさであった。快適な体温を求めて、使用前にいちいち風呂に入れたり、暖房装置の前に置いておいたり、電気毛布を使用するらしい。これに対しては、やはり、シリコンに毛細血管状にヒーターの電熱線を張り巡らすことだろう。シリコンと電熱線との相性など技術的な問題はあるだろうが、これは比較的容易に実現できると思われる。もちろん適切な体温(36度程度)に設定される。局所的には、例えばアノ部分に関してはもっと高めの温度を設定し、文字通り、ホット・プッシーを実現しても構わない。冷え性の女性が好きなら、低めに設定することも可能である。暑くて寝苦しいときには低めに、寒い冬場には高めに設定すれば、添い寝式の冷暖房器具としても活用できる。

<皮膚と洗浄>
実際のラブドールに触れたことがないので、現状のドールの触感がどのようなものか図りかねているが、やはり体表面部は人肌に近い素材を活用したい。「人肌に近い新素材」で検索すると、ゲルトーマフュートロティックトリスキンサイバースキンなどの名称が出てくる。関節部を伸ばした後、自然な形で肌が復元するよう、伸縮性に富む素材が求められる。だが恐らく人肌に近い素材は、ドール用のみならず、医療や美容分野でも求められているのだろう。それだけに、今後、よりよい素材が開発される余地が多分にあると考えてよい。

人肌と人工的な皮膜との大きな違いは、人肌の方が発汗による若干の湿り気を帯びた「しっとり感」があることだろう。ドールに発汗装置をつけるのは現状ではかなり難しい。だが主に化粧品分野で「お肌をしっとりとさせ潤いをもたらす」クリームやローションの類が豊富に出回っている。それを活用することで充分に美肌ドールとなることだろう。生身の女性でも肌の手入れなど美容のメンテナンスは欠かせない。それと同様、ドールでも美容メンテナンスは欠かせない。メンテナンスはユーザーとしての義務である。

より厄介なのは洗浄かもしれない。ラブドールは、ホールの部分が取り外し可能なタイプ(大半がそう)とホール部分が本体と一体化しているタイプ(米製のリアル・ドールなど)の2つのタイプに分かれる。このうち洗浄その他のメンテナンスが容易なのは取り外し可能なタイプである。だが一体化タイプの方は、見た目の自然さなどで優れているのも事実であるし、将来的には一体化タイプの方向へ進むと思われる。さらに、ここで検討しているような機能を備えたドールの場合、どうしてもホール部に様々なセンサーを仕込む必要があり、取り外しタイプにするのは難しい。しかし、例えばAbyss社のリアルドールのページにも解説されているが、適切な洗浄キットが付録としてあるようで、その方面についてはあまり心配する必要がないのかもしれない。シリコン肌の劣化や、色移り、小さな傷などの修復などのキットも改善されることを期待する。

<体液>
先にも書いたが、自然な汗を出させることができたら、いわゆる「しっとりお肌」も実現できるかもしれないが、皮膚全体に汗を出させるのはかなり難しいであろう。それを除くと、体液としては、愛液と唾液の2つが主である(母乳とおしっこはとりあえず今回は見送り)。これは案外、容易に実現できると思うのだが、どうだろうか。「徐々に分泌する」というところで、少しコントロールが必要になるとは思うが、補充可能な「体液パック」を仕込み、キスに反応して適量を分泌したり、体の各所に仕込まれたセンサーに刺激が送られるとそれに反応して、あそこから愛液を分泌するようにする。生身の女性に比べて有利な点があって、それは「体液パック」に味付けを自由に行うことが可能であるという点だ。イチゴミルク味の甘いキス、唐辛子味のホットなキスなど、それぞれの嗜好に応じて、様々なキスが味わえるだろう。クンニにしても、酔いしれるワイン味というのも考えられるし、体温ヒーターを利用して、文字通り、「人肌にお燗した」燗酒も楽しめる。いや、何もアルコールに限定することはない。炭酸系の愛液を仕込むと、挿入時、とてつもない刺激を得られることになるかもしれない。

<反応>
ドールを相手にして、やはり一番むなしくなるのは反応がないことと思われる。無反応なドールを相手にしての行為は、結局は、自慰の延長に過ぎず、生身の女性を相手にするときのような興奮は得られない。だが、使用者の送り込む刺激に対して、何らかの反応を行うようにさせれば、仮想世界のこととは言え、より本物のセックスに近づけることができる。いやむしろ、その反応を制御できることから、本物よりも興奮に溢れたセックスを実現できるかもしれない。SFXやVFXを駆使した映画やテーマパークの出し物によって、日常では通例体験できないことを擬似的に経験できるのと同じである。

反応は、どのような形で、どの部位を用いて行われるかによって、大きく4つに分けることができる。つまり、「体の動きによる反応」、「顔の表情による反応」、「声による反応」、そして「言葉による反応」だ。

まず体の動きによる反応を考えてみよう。とりあえず、正常位で行っているときに求められる反応に限定してみる。(例えばピストン運動のピッチが速くなっていく、挿入の圧力が増える、などの情報をセンサーが感知し、外部コンピュータが計算することによって、捉えられると思うが)使用者の興奮が高まるのに応じて、ドールは次のような動作を行うようにする。

・いやいやをするように頭を左右に振って、髪を振り乱す
・両腕が上がり、使用者を抱きしめる、あるいは使用者にしがみつく動作を行う
・両脚が上がり、使用者の腰に絡みつく(それができないと察知したら、脚は開きっぱなしに)
・背中を反らし、胸を押し上げ、同時に顎を突き出す姿勢になる
などなど

これらの動作は、ある程度ランダムに行うようにセットされている。ランダムゆえに、使用者はドールの行動の予測がつかず、現実の女性を相手にしているような感覚を味わうことができるだろう。

ドールはもちろん呼吸を行う必要はないわけであるが、だが、呼吸動作を行うようにさせることによって(仮想)現実感がさらに高まることだろう。ハア、ハア、ハアという息遣いにあわせて、胸の内空が膨らんでは萎むリズミカルな動きをさせる。もちろん、これも使用者の興奮度合いに比例して、呼吸運動の強さや頻度が変動するようにセットされている。

オルガスムに達しているときのような全身の緊張は、割と容易に行うようにしておいたほうが多種多様な使用者に満足感を与えられるかもしれない。早漏の使用者には、福音となるであろう。遅漏の使用者には、多重オルガスムを味わわせているような充足感をもたらすことになるだろう。なお、行為終了後、体を離すと、ドールは一定時間ぐったりとして息を喘がせているような動作を取る。

センサーからの情報に基づいたこのような自動運転では、どうしてもタイミングがずれて楽しめないという使用者のことも考えて、リモコン式で反応をセットできるようにもしておこう。

上述の動作は、性交時に行う動作ではあるが、もちろん、愛撫時の反応もないがしろにするわけではない。いわゆる性感帯に対応する部位には特に反応のためのセンサーが高密度で仕込まれており、例えば、乳首を指ではじくと、ピクンと体全体を震わせたり、腰から尻にかけてすりすりすると、じんわりとドール全体の体の緊張が緩むとかの反応を行う。「首筋が特に敏感」といった特注品を作ることも可能であろう。さらにはメーカーが秘密の部位に特に際立って濃密にセンサーを仕込み、使用者に、ドールの性感帯を見つけさせるといったサプライズ商品も登場するかもしれない。

「俺のドールは左脇の下14センチのところをカリカリカリと3回引っ掻くと、すげー燃えた反応をするんだ。初めて見つけたとき、ビックリしたよ」
「それを15回繰り返すと、ドールの隠れキャラが表に出てきて淫乱ドールに変わるって知っていたか?」
「え!マジ!?」

とかの使用者の声。

そのような繊細なセンサーも実現可能であるように思われる。特に、この女優ロボット「アクトロイド」にみられるような機能の開発の延長線上に、素晴らしいセクソロイドが位置していることだろう。

顔の表情変化も、広義の運動反応であるが、しかし、表情は特に対人間のインターフェースを持つロボットでは重要である。適切な、そして繊細・微妙な表情を出せるようにするため、ドールの顔面部には特に精密な人工筋肉を仕込む必要がある。瞬きを行うなどは当然であるし、口元の微妙な動きには特に力をいれたい。だが、それにも増して、ラブドールの場合には、「苦痛に堪えているような官能顔」、「恍惚とした無表情顔」、「半ば微笑んでいるような快楽顔」、そして「アクメ顔」など、それこそ、様々な表情が要求されている。使用者が激しく萌えることができる、状況に適切ではあるが、しかし個性溢れる美しい官能顔の開発が一番の難関かもしれない。その開発のために、美人研究者たちの文字通り体を張った献身的研究が必要となるだろう。現時点では、そのようなドールに至りつくためのプロトタイプ的なロボットが、大阪大学工学部知能機能創成工学研究室 リプリーQ1かもしれない。

もちろん顔の表情も、使用者の行う行為、使用者の興奮の度合いなどに対応して変化するように外部コンピュータにより制御されている。

舌を動かす機能は現時点でのロボットでは実現されていないようであるが、これはかなり重要である。キスの際には舌は重要な働きを担うからだ。もちろんフェラチオをさせるというのが究極目標かもしれない。だが、フェラでは、重要な装置が詰まっている頭部を動かす(かなり荒々しく)というかなり難関と思われるハードウェア上のハードルがあるので、実現はもっと先かもしれない。

次に声による反応を考えてみよう。これは意外と容易に対処できるように思われる。性交時を例に取ると、先に(擬似)呼吸運動のことを述べたが、それに連動して、リズミカルに一定の声を出させるようにすればよいからだ。しかも、喘ぎ声のレパートリーは意外に少なく、「あっ、あっ、あっ」、「ん、ん、ん」、「いぃ、いぃ、いぃ」とか、「いや、いや、いや~ん」、「いく、いく、いく」、「ああああぁぁぁ」など多くても2、30種類なのではないかと思われる。それらの音声はファイル化してコンピュータに格納されており、ドールの口腔に備えられているスピーカーから発声させる。「感じる~」とか「いきそう」とか「大きい」とかの常套句も随時発声させるようにしてもよい。むしろこのような発声より、うめき声、喘ぎ声、甘い溜息、唸り声など、動物的な声の発声の方が、リアル感を出すのに手こずるかもしれない。

体液のところで、ドールの方が生身の女性より優れる可能性があることを述べたが、声に関しても同じようなことが言える。声質に関して、例えば、ワープロでフォントを選ぶのと同じように「熟れた人妻風の落ち着いた声」とか「アニメキャラ声」とか、自由に選べるからだ。もちろん、音声ファイルはセット化され、一括して特定のサイトから自由にダウンロードできるようになっている。また、音声部のプログラムの設定によって、「敏感ですぐに声をあげ、うるさいくらいに悶え喘ぐ」といった選択もできるし、隣近所にご迷惑になりそうなら、「ほとんど聞こえるか聞こえないかの、蚊の鳴くような声で、喘ぐ」といった選択もできよう。単に音量調節で対処してもよい。また、声に加えて、雰囲気を盛り上げるための甘い音楽がドールの体内から流れてくるようにしてもよい。

最後に言葉による反応について。言葉を自発的に使えるのは人間だけであるし、機械による自動的な反応は実現されているものの、それを聞かされても、むしろ機械を相手にしているという事実を思い知らされるだけの現状である。自然で創発的な言語の使用は、思考の存在を前提としているので、人工知能の完成を待たなければならないだろう。だが、ドールが人間並みの知能を有する必要があるのだろうか。もしそうなってしまったら、ちょうど私が人間の女性に振り向きもされないのと同じく、私はドール娘にも相手にされなくなってしまうだろう。ドールは私よりも魅力的な他の男性に好意をもってしまうからだ。それは避けたい。ぜひ避けたい。ドールに人間並みの知能を備え付けてはならないのだ。

だが、やはり、ドールには何か萌えるような言葉を発してもらいたいし、仮想世界のこととは言え、会話を交わしたいと思うのは当然だ。そこで考えられるのは、「セックスのシナリオ化」である。

セックスのシナリオ化とは、言葉は斬新に聞こえるかもしれないが、深遠な意味があるわけでは決してない。単に、セックスが行われる様々な状況を設定し、それにあわせてセリフ・体の動き・とるべき仕草・表情などを台本にし、スクリプトとして用意しておくという、それだけである。例えば、「相思相愛の新婚夫婦」というスクリプトは、次のような記述があるだろう。

妻:「あなた、もうベッドに入ってきて~」(誘うような表情)
夫:「お前も、好きだなあ」
妻:「いや~ん」(恥じらう顔)
夫:「お、今夜はピンクのネクリジェか?」
妻:「恥ずかしいわ」(両手で顔を覆う)
夫:「エッチだなあ。ほら、ネグリジェの上からも胸のポチが分かるぞ」(と乳首を触る)
妻:「あん! 感じる~ん」(と体をくねらせる)

などなどだ。使用者はおおよそ、どのような言葉をかけるか、どのような行為をするか頭に入れておき、行為を演じるのである。これは一種のマークアップ言語によって記述されるだろう。ウェブページで文書に与えるフォントや飾りの指定を特定の方法で記述するのと同じく、セリフにあわせて行う行動などを記述する。したがって、使用者の好みの口調に変えてもいいし、表情や体の動きに多少の変更を加えてもよい。シナリオとしては、「最初はからブイブイ言わす淫乱女」とか「よその男を誘惑する人妻」とか「ヤクザ者に脅されつつセックスに応じ、それに溺れる女」とか様々なものが考えられる。恐らく、ネットワークを通じて、様々なシナリオがボランティア的に提供されることになるだろう。使用者はそこから好きなものをダウンロードし、ドールへのプログラムに仕込み、使用するわけである。そのようなシナリオ提供者の中から、天才シナリオ作家として人気を博するセックス・シナリオ・ライターが出てくるかもしれない。
 人工知能の世界ではチューリング・テストと呼ばれるテストがある。ある人間Aがいて、Aには分からぬようにして、別の人間BとコンピュータCの両者とコミュニケーションを取らせる。人間Aが、その応答の結果、コンピュータCと人間Bとを区別できなかった場合、コンピュータCはチューリングテストに合格したと言う。一般的な状況では(つまり汎用の知識を要する状況では)まだチューリング・テストに合格する計算機は存在しないが、特定の限られた状況(例えば、医者による診断など)では、合格に近い成果が出ている。エキスパート・システムと呼ばれるものである。セックスという状況も、特定の限られた状況と言ってよく、セックスに限定したエキスパートシステムができるかもしれない。そうすれば、上記のようなシナリオの一部に、フリートーク時間のようなものを設け、(予めスクリプトに書かれているわけではない)簡単な会話を行うことができるかもしれない。人工無能のような会話になるかも知れないが(しかし学習機能もつければ、案外、楽しいめることになるだろう)。

<おわりに>
人間は古来から常にセックスについて妄想を働かせ、その妄想を具現化する方向を辿ってきた。語りによるエロチックな物語・小説、そして絵画、その後は、より具体性を帯びた写真、映像。これまで述べてきたような、人間に非常に似たセックス・ドールを手に入れることにより、さらに新たな妄想が生み出され、そして人々はその妄想を具現化しようとしていくだろう。人間に対するよりもドールに対してより深い愛情を抱く者も現れるだろう(いやすでに現れているか)。知らぬ間に他の男に自分のドールを使われたり、または他の男になつくようなプログラムを仕込まれ、嫉妬に狂う使用者が出てくるかもしれない。恐らく男性型ドールも開発されるはずで、巨根型男性ドールに妻を寝取られた夫も出てくるだろう。あるいは、「私は自分のドールが他の男に抱かれているのを見る妄想を持っているのです」といった書き出しの話しをネットに投稿する者たちも出てくるかもしれない。

今日の話しはこれまでにします。では。皆さんごきげんよう、よろちく、ちくび。

(チャイムの音)

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